• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

超音波により大変形する遠隔制御微小自在変形体とその体内ロボティクス利用の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16650121
研究機関東京工業大学

研究代表者

神谷 大揮  東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60282860)

研究分担者 堀江 三喜男  東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00126327)
キーワードマイクロマシン / 医療ロボティクス / 形状記憶樹脂 / 超音波加熱 / マイクロバルーン / 動粘度 / 気泡
研究概要

体内マイクロロボティクスのアクチュエーション技術として,これまでのカテーテルでは入り込むことのできない体内の微小領域に,単独で入り込みそこで作業が可能な,遠隔制御微小自在変形体(アメーバロボット)を提案している.この微小自在変形体は,体外からの超音波により遠隔的に,アメーバのように大きく自在変形させることが可能であり,形状記憶樹脂膜,音波吸収体(樹脂),および超音波のキャビテーションを応用した気泡発生核からなる.
本年度は,超音波による樹脂の加熱特性を明らかにする為に,各種の樹脂,中空マイクロバルーンを混入した樹脂を加熱ターゲットとして加熱実験を行った.また,超音波の伝播媒質の動粘度によるターゲットの温度上昇の違いについて明らかにした.以下,得られた結果を示す.実験に用いたシリコンゴム,ソルボセイン,ウレタンゲル,スチレンブタジエンゴム,形状記憶樹脂,エポキシ樹脂は超音波照射(80kHz)により,室温から70℃の昇温が得られた.これは,形状記憶樹脂を軟化させるには十分な温度上昇である.さらに,ターゲット樹脂近傍の伝播媒質中(シリコンオイル)で超音波照射により気泡が発生するが,この気泡は高温であり,発生後も超音波を吸収し昇温するとの考察から,ターゲットに中空のマイクロバルーンを混入して実験を行った.マイクロバルーンの混入により気泡の発生しない低出力の超音波でも,ターゲットが昇温ことを確認した.超音波の伝播媒質動粘度の差が,気泡の発生のしやすさ,発生様式,集中度,移動速度,超音波の減衰に依存すると仮定し,推測されるこれらの相関から,昇温に適する伝播媒質の動粘度は10,000cStであることを実験により確認した.一方,粘度が100cStと小さい場合には,気泡発生に有利であることが示された.超音波の周波数を1.6MHzと大きくした場合には,媒質中の気泡発生を抑えつつも温度上昇が可能であること示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Study on Tube-shaped Dilatation Micromanipulator made of Shape Memory Polymer2004

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kamiya
    • 雑誌名

      Proceedings of the 11th World Congress in Mechanism and Machine Science (IFToMM) (CD-ROM)

  • [雑誌論文] 形状記憶樹脂製膨膜形マイクロマニピュレータのための超音波加熱に関する基礎実験2004

    • 著者名/発表者名
      神谷 大揮
    • 雑誌名

      日本機械学会,機素潤滑設計部門,第4回機素潤滑設計部門講演会講演論文集 04-08

      ページ: 183

  • [雑誌論文] Micro Tube Manufacturing Method of Tube-shaped Dilatation Micromanipulator Made of Shape Memory Polymer2004

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kamiya
    • 雑誌名

      Proceedings of ASPE 19th Annual Meeting (CD-ROM)

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi