ラットの大静脈を摘出し、体外にてその静脈に対して超音波とマイクロバブルと圧の3つの刺激を併用した、オリゴ導入法を検討した。ラットの静脈モデルを用いてFITCオリゴの導入条件を検討した。100mmHgと25%のマクロバブルに超音波周波数1MHzの条件で照射することにより、効率よくオリゴが静脈に導入できうることを見出した。ウサギの静脈グラフトモデルに対して、炎症の中心的役割をになっている転写因子NFkbを抑制するNFkbデコイを用いて静脈の炎症を抑制し、生着後の平滑筋細胞の増殖を抑制し再狭窄を予防を検討した。我々はすでにHVJ法を用いてNFkbデコイを静脈血管に導入することによって、移植後の狭窄を抑制できうることを報告しており、今回は物理的刺激による核酸導入で同様の効果が得られを比較した。ウサギの静脈に対して超音波と圧とマイクロバブルを併用することによって、静脈に核酸導入することにより非ウイルスの安全な核酸治療が行えると考えている。 一方、脊髄損傷は臨床の場で難治性疾患として認知されている疾患である。リハビリテーションによってある程度の回復はみこめるものの、いまだ充分に治療することは未だ困難であり大きな社会問題となっている。そこで我々はこの疾患を遺伝子治療にて改善させうることを目的として、精髄への遺伝子導入法を検討した。ラットの脊髄損傷モデルに対して髄腔より超音波とマイクロバブルを併用することにより安全に核酸導入が可能であることを証明した。
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