研究課題/領域番号 |
16650133
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原田 規章 山口大学, 医学部, 教授 (70116747)
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研究分担者 |
井上 正岩 山口大学, 医学部, 助教授 (20335722)
SHAWKATUZZAMAN MD.LASKAR 山口大学, 医学部, 助手 (30379945)
横山 健治郎 山口大学, 医学部, 助手 (70346550)
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キーワード | 急性振動負荷 / 理学療法 / 手腕振動症候群 / 血管反応 / 皮膚血流 / 皮膚温 / 温度条件 / ISO |
研究概要 |
手腕振動症候群の最も特徴的な症状は手指レイノー現象(血管収縮発作)である。その病態機序として、振動が末梢血管を収縮し筋緊張を高めることが指摘されている。一方、理学療法領域において、振動は末梢循環を改善し筋緊張を和らげる効果を持つとして一般に使用されている。この差異には、振動曝露時間、振動周波数、振動曝露部位、騒音・寒冷要因などの要素が関係していると推測できる。また、振動の生体影響評価法と曝露基準に関して、国際標準化機構(ISO/TC108/SC4)で検討がされている。研究代表者らは手腕振動症候群の病態研究の中で、振動の直接影響は血管拡張であり、作業に付随する騒音・寒冷などのストレス要因が交感神経系を介して血管収縮効果を持ち、骨格筋の筋紡錘を介した振動反射がその効果を補強することを示してきた。これは、健康障害因子としての振動と理学療法としての効果を持つ振動の矛盾を説明できる知見と考える。 健常被験者を対象に、急性振動負荷による手指血流の変化とそれに関連する要因の検討を行なった。振動負荷中にも測定可能な手指血流の指標として、皮膚表層血流を反映する熱勾配式血流計およに手指全体の血流を反映する皮膚温度計を用い、我々が開発した温冷水を還流することにより広範囲での温度制御が可能な振動負荷ハンドルを用いた。ハンドル温度と実験室温を変えて振動負荷を行なった結果、急性振動負荷は特に皮膚表層血流を増大(血管拡張)させること、その効果はハンドル温度と室温に影響されることを確認した。これらの研究成果は関連学会に報告するとともに、2004年10月にアテネで開催されたISO/TC108/SC4委員会に反映するとともに、論文を投稿・作成中である。
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