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2006 年度 実績報告書

体育・スポーツ科学研究における被験者の人権問題

研究課題

研究課題/領域番号 16650145
研究機関筑波大学

研究代表者

近藤 良享  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00153734)

研究分担者 田原 淳子  国士舘大学, 体育学部, 助教授 (70207207)
長谷川 悦示  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (80272227)
キーワード研究者の倫理教育 / インフォームド・コンセント / 治療と研究 / 医的侵襲行為の正当化
研究概要

本研究の目的は,体育・スポーツ科学研究に協力する被験者への人権がどのような形で擁護されているかを明らかにすることであった。具体的には、被験者や被調査者に対して、研究・実験の目的・方法・内容、等々が十分に説明されて、被験者が主体的、自主的に参画を決定しているかどうかを明らかにした上で、日本における体育・スポーツ科学研究の研究(者)倫理の啓蒙に寄与することを目的にした。
本研究において、日本では運動部顧問や先輩の要請をうけて被験者・被調査者を受諾した場合や、授業時間中に十分な説明もなく調査をやむなく応じた例も見出せ、被験者や非調査者の主体的、自主的な参画とは言えない状況が問題点として浮かび上がった。形式的なインフォームド・コンセントによって同意が形骸化している可能性が示唆された。
この種の問題は、生命科学における治療的研究と非治療的研究についてと同一の倫理的ジレンマが生じる。治療への期待を煽ると同じく、指導者・研究者と選手・学生の力関係による被険者の受諾には大きな問題が潜んでいることを自覚すべきであろう。しかし、スポーツ科学研究の進展に着目すれば、当該領域の関係者と非関係者に分けて、研究への関与に軽重づける方策、つまり、研究の進展には研究者としての犠牲を受諾する可能性も残しておくべきであるが、そのためには研究者の倫理教育の充実を含めた研究者養成プログラムが不可避となろう。欧米での訴訟においては、形式上の文書同意や理解では、裁判上、研究者側に不利な判決が出されていることからも、これからの体育・スポーツ科学の研究における人権擁護のためには、的確かつ正確なインフォームド・コンセントが研究の成果促進に貢献するという、研究者自身の専門職性や職能倫理を啓蒙させる必要があるだろう。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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