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2006 年度 実績報告書

運動時におけるヒトの脳活動と体内ホルモン変化との関係-ポジトロン断層法を用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 16650150
研究機関東北大学

研究代表者

藤本 敏彦  東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (00229048)

研究分担者 伊藤 正敏  サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
キーワード運動 / セロトニン / PET / NMSP / 前帯状回 / 疲労
研究概要

セロトニンはヒトの気分に関わる脳内神経伝達物質である。動物を用いた先行研究では、運動によって大脳前頭皮質のセロトニン濃度が増加することが知られている。しかし、ヒトにおいては運動時のセロトニン活動はこれまで観察されていない。そこで本研究はポジトロン断層装置(PET)と[^<11>C]N-methylspiperone(NMSP)を用いて、ヒトの運動後のセロトニン神経活動を画像で観察した。NMSPはセロトニンの5-HT2受容体に特異的に結合する能力(以下、結合能)を持つ。ところが生体由来のセロトニンよりは結合能が弱い。したがって、脳内のセロトニン神経活動が亢進すると、NMSPの結合能を示すPET画像の信号は減弱する。被験者は健康な無酸素系運動種目の経験を持つ男子8名であった(年齢20.6±0.26歳、最大酸素摂取量46.8±2.16ml kg^<-1>min^<-1>,平均±標準誤差)。被験者には午前と午後に1回ずつPET検査を実施した。午前中には安静時のPET検査を行った。午後は運動後にNMSPを投与し、その後PET検査を実施した。運動は最大酸素摂取量の70%強度であり、運動時間は30分間であった。また、被験者の気分(主観的疲労感)や体の痛み、気分をVisual analog scale(VAS)を用いて簡便に測定した。その結果、NMSPの5-HT2受容体への結合能は、前帯状回皮質において、安静時に比べ運動時に有意に減弱した(P<0.05)。この結果は運動によって、前帯状回皮質のセロトニン神経活動が亢進したことを示している。また主観的疲労感と体の痛みを示すVASは安静時に比べ運動後に有意に上昇した(P<0.001,and P<0.05,respectively)。したがって、運動後に誘発される前帯状回皮質のセロトニン神経の亢進は主に疲労感に関係している可能性が考えられた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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