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2004 年度 実績報告書

要介護高齢者の身体活動と栄養学的特性・特に小腸の細菌異常増殖について

研究課題

研究課題/領域番号 16650163
研究機関名古屋大学

研究代表者

島岡 清  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (60109361)

研究分担者 三井 隆弘  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 共同研究員
キーワード高齢者 / 要介護者 / 身体活動量 / 小腸細菌増殖 / グルコース-呼気水素テスト
研究概要

われわれは予備的研究(J Hum Nutr Dietet 2003;16:119-22)において、健常高齢者と要介護高齢者における小腸細菌増殖の差異について検討を行ったところ、要介護高齢者に多く見られるという傾向を得た。しかし、被験者数がそれぞれ10名と15名であり、確証を得るには至っていない。そこで、今年度は、さらに被験者数を増やし、われわれの研究結果の検証を行った。
日常生活には支障がない比較的健康な高齢者41人(男性18人、女性23人、平均年齢74.6才、平均活動量6135歩/日)と要介護高齢者42人(男性19人、女性23人、平均年齢78.8才、平均活動量1371歩/日)を対象として、前回と同様にグルコース溶液(50g/200ml)摂取後の呼気水素法で小腸細菌増殖を調べた。その結果、前者ではひとりも見られず、後者の11人(26.2%)に認められた。この結果は、Lewisら(Age Ageing1999)によるイギリスの介護型老人ホームの62人中18人(29.1%)やParlesakら(J Am Geriatr Soc2003)によるドイツの入居型老人ホームの294人中46人(15.6%)に近い罹患率である。本研究では、透析患者、日常的なインスリン注射が必要な糖尿病患者、自分で食事をとることができない要介護者は除いているので、このような被験者を含めるとさらに罹患率は上昇すると考えられる。小腸細菌増殖のはっきりした原因はわかっていないが、胃酸分泌や免疫機能の低下に加え、内容物の停滞があげられている。今回のわれわれの結果は、きわめて不活動な日常生活を送っている要介護者は、消化管運動低下が起こり、内容物の停滞も起こりやすい可能性を示している。さらに、健常高齢者では小腸細菌増殖は非常にまれであることも示している。また、陽性者11人のうち5人がBMI18.5未満であった。小腸細菌増殖による体重の減少は、Parlesakらの研究でも報告されており、これは、細菌増殖による栄養吸収の低下が原因であると考えるのが妥当であろう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 胃腸の老化と身体活動2004

    • 著者名/発表者名
      三井隆弘, 島岡清
    • 雑誌名

      体育の科学 54・9

      ページ: 700-705

  • [雑誌論文] Small bowel bacterial overgrowth is not seen in healthy but is in disabled older adults

    • 著者名/発表者名
      Mitsui T, Shimaoka et al.
    • 雑誌名

      Hepato-Gastroenterology In press

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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