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2004 年度 実績報告書

南極大陸における曝露繊維の表面特性を考慮した高機能繊維素材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16650179
研究機関武庫川女子大学短期大学部

研究代表者

奥野 温子  武庫川女子大学短期大学部, 生活造形学科, 教授 (60085248)

研究分担者 吉田 恭子  武庫川女子大学短期大学部, 生活造形学科, 助教授 (80182757)
賓 月珍  奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (90343269)
キーワード繊維の劣化 / 極寒地域 / 色褪せ / 南極 / 表面観察 / 曝露 / ナイロン6 / ESCA
研究概要

南極地域観測時に、昭和基地からドームふじに至る約1000km(標高差約1,500m)の間に立てられたルート標識の旗(ナイロン6平織物)を試料として、極寒地域に於る繊維の劣化の検討を行った。ルート旗は、色褪せて引裂かれており原形を留めるものはなく激しく劣化したもので、電顕により表面を観察したところ、繊維軸と直角方向にクレーター状の凹凸が、ほぼ20μm間隔に規則性をもってエッチングされていた。しかし、これらのクラックは決して繊維の中心部には及んでいない。比較のために、日本国内(西宮市)の平地で曝露をしたナイロン6平織物は、繊維軸に対して直角方向にネジくぎ状のクラックが2〜5μm間隔にみられ、クラックもかなり中心部に及んでいる等、様相を異にするものであった。又、ESCA測定による表面分析や強伸度測定を行った結果、興味ある知見が得られたので、一部をまとめてPolymer Journalに発表した。しかし、これらの試料は、試料採取など系統的でなく、繊維の劣化機構の解明には不確定要素をぬぐえない部分が多い。そこで南極域における繊維劣化のメカニズムをより詳細に解明するために、ナイロン6、ポリエステル、アクリル、綿、羊毛、絹織物について、旗状の試料を作成し、南極越冬45次隊及び46次隊の協力を得て、昭和基地の東オングル島迷子沢にあるイメージングリオメータアンテナの支柱を利用しての曝露、及び内陸においての長期曝露を続行中である。今回、夏季期間の41日間曝露した試料は日本に持ち帰られたので、目下、表面形態やESCAによる表面分析を行い、西宮(日本)での曝露試料と比較検討を行っている。又、観測隊でルート整備に用いる赤旗のうち、交換したものを回収して併せて試料とする予定である。これらの曝露試料は回収後、気象条件を考慮し、極寒地と温和な地域での表面特性の違いを解明していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Morphology and Mechanical Property of Nylon 6 Fibers in the Flags Exposed on the Route between Syowa Station and Dome Fuji in the Antarctic2005

    • 著者名/発表者名
      T.Okuno, Y.Nakano, K.Yoshida, K.Yokoyama, M.Hamaguchi, K.Yano, M.Matsuo
    • 雑誌名

      Polymer Journal Vol.37.No.3

      ページ: 1-8

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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