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2004 年度 実績報告書

米飯の食味に関わる組織化学的微細構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16650188
研究機関くらしき作陽大学

研究代表者

小川 幸春  くらしき作陽大学, 食文化学部, 講師 (00373126)

キーワードコメ / 炊飯 / 組織構造 / 顕微鏡観察 / 自家蛍光 / 品種 / テクスチャー / 圧縮
研究概要

「適切な炊飯条件が米飯の食味を改善する理由」を明らかにするため,テクスチャーに係わる米飯の圧縮特性と炊飯による組織構造変化との関係を考察した.供試材料として5品種の精白米(短粒種:S-102,中粒種:Calrose,M-402,長粒種:L-204,A-201)を用いた.炊飯方法としては実験レベルのモデル炊飯を適用し,得られた米粒を米飯サンプルとして組織観察,圧縮試験に使用した.
1)炊飯による組織構造変化
炊飯時間の経過にしたがって細胞壁の破断など組織構造の変化が生じ,圧縮抵抗力が小さくなった.この結果より,米飯の圧縮抵抗力の差異は細胞壁の破断程度にも何らかの関係があることが明らかとなった.
2)力学的圧縮による組織構造変化
非圧縮サンプルと比較して圧縮サンプルの組織では細胞壁の破断がより多く見られるなど,圧縮による形状変化が組織構造にも影響を及ぼしていることを明らかにした.このことから米飯粒の圧縮特性は組織構造,特に細胞壁の破断特性に大きく関与することが考えられた.
3)品種別の組織構造と圧縮特性
いずれのサンプルでも炊飯による組織構造の変化が見られたが,長粒種(A-201)では細胞壁の自家蛍光状態が観察しにくくなっていた.これは切片上に自家蛍光を発するフェノール化合物が存在していないことを示す.また,長粒種(L-204,A-201)の圧縮抵抗力は短粒種(S-102)や中粒種(M-402)と比べて小さかった.これらの結果を総合すると,長粒種(A-201)では炊飯によって細胞壁成分の流出あるいは分解などが生じて細胞壁構造が消失し,圧縮抵抗力が低下したものと推測される.以上のことから品種間での組織化学的特性の違い,特に細胞壁の物性的,化学成分的な差異が米飯の圧縮特性に影響を及ぼしていることが明らかとなった.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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