あらゆる分野では情報がコンピュータ管理されるようになり、それに関わる技術が開発されつつある。しかし、匂いに関する情報を管理するシステムは未開発であり、嗅覚を伴うアミューズメント性を持った教育システムやゲームシステム等の実用化が切望されている。本研究では、化学物質の匂いを管理し、任意に配香したい時点で選択した匂いをコンピュータ管理の下で発生する教材システムを開発する。 化学物質の匂いの発生をコンピュータ管理できることが本研究の特色であり、匂い発生をシステム管理することに独創性がある。本研究の予想される成果はいろいろな用途に利用でき、その意義は、嗅覚を伴うアミューズメント性を持つことから、いろいろな分野で社会的貢献が期待できる。科学教育には、化学物質の匂い識別学習が重要である。 以下に、本年度実施した研究内容を示す。 (1)匂い物質の保持管理(吉村分担)…匂い物質を水性高分子粒子に保持させる方法における基礎研究を行い、匂い物質のデータを集めた。 (2)発生した匂いの消臭装置の開発(吉村分担)…匂い発生後の不要な匂いを消臭する装置を設計・開発した。 (3)匂い配信ネットワークシステムの開発(上島・吉村分担)…インターネット利用を想定し、発生情報をネット上で利用できるシステムを開発した。 (4)科学教育への試用(吉村・上島分担)…開発したシステムを用いて、科学教育への利用の試行を行った。 (5)研究会等での報告(吉村・上島分担)…関連の研究会に参加し、研究成果の報告を行った。
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