研究概要 |
初年度は,これまで開発してきたシステムについて,改良を行った。 まず。タグとリーダーとの距離測定のアルゴリズムを見直し,システムの処理速度の高速化を図った。また,複数タグからの情報取得の処理および,認識したタグのIDと距離から,適切な情報を選択し提示するためのデータベースとの連携方法の検討と開発を行い,システム全体の改良と機能強化を行った。 さらに,移動している人間への初期情報の告知(ノーティフィケーション)の方法として、どのような方式が考えられ,さらにその中でどれが本システムの運用に適しているかを評価検討した。情報伝達の手段で,情報機器からの情報として現在現実的に利用できるものとしては,聴覚,視覚,触覚がある。本システムにおいては,移動する人間へ,通常行っている活動を阻害しないでかつ間違いなく情報の存在を伝える必要がある。同時に周囲へ不要な情報を伝えないことも重要な要素である。これらをもとに検討を行った結果、人間の活動を妨げず、さりげなく情報の有無を振動で伝え、情報への注目を促し、その後ディスプレイや音声で詳細情報を提示する方法が効果的であることがわかった。 提示する情報の内容についても再検討を行った。特に音声のみでのナビゲーションの場合の文章構成について,聞き逃しの少ない文章の構成方法について検討した。 持ち運びするシステムの重量の問題について,システムのハードウェア構成を検討した。バッテリーの変更,ケーブル長等軽量化のポイントとなる部分は明らかになったが,実際に利用に関する問題,機能強化による重量の増加に関する問題も発生し,十分に改善するには至っていない。今後利用するPCやタグリーダの変更等,抜本的な改善を検討していく予定である。
|