研究概要 |
ユビキタス社会において,ICタグ技術はもっとも注目されている技術の一つである。現在利用されているほとんどは近傍型とよばれ,アンテナとタグの距離が数ミリから数センチの範囲で認識を行うタイプであるが,ETCで用いられているもののように,長距離型のタグの実用化も進められている.モバイルコンピューティングの進展伴い,ICタグリーダの小型化も進んでおり,これを携帯することも可能となってきた.長距離型タグを利用することにより,ICタグ固有のIDを読み取るだけでなく,ICタグまでの距離を電波強度として読み取ることにより,より状況に適した情報の提供が可能となると考える.また,複数タグの情報を統合的に利用することにより,タグとの相対的な位置関係の把握も可能となると考える.電波強度は人体等の導電体の存在による影響も大きく受けるため,それらを考慮した補正の方法等についても研究する必要がある. 本研究では,美術館等の展示を想定し,館内での来館者の位置を把握し,位置に応じた情報提供を行うシステムの開発を行う.また,来館者の属性を前もって登録しておくことにより,来館者それぞれの年齢やニーズ,視覚等の障害を考慮し,情報提供を行うことの可能なシステムの開発を行った. 本年度は,これまで開発してきたシステムを見直し,システムの処理速度の高速化,複数タグからの情報の処理,データベースとの連携等の機能強化を図る.具体的には、下記のような分担で実施する。 本年度は,これまでのシステムの改善と,実証実験を行った。
|