研究課題
PC用手書き数式入力対応エディタInftyEditorの手書き数式インターフェースをPDAに移植し、オープンソースの数式処理ソフトRisa/Asirとの通信機能を実装し、PDA上で手書きで入力した数式に対して計算を行うシステムのプロトタイプAsirPadを作成した。内部的には、エラーが起きても復帰できるように例外処理の機能を追加した。また、様々なユーザーに対応するために、ボタン及びメニューの日本語と英語の切り替えや、扱う数式のレベルに合わせて手書き辞書を変更できるようにソースの構造を変更した。インターフェースについては、何度も同じ数を入力しなくてもよいように、変数への数の代入機能も用意した。さらに、実際の教育現場で使用できるように、インターフェースの仕様とデザインについて教育的視点から検討し、若干の変更を行った。以上の成果を2004年9月にポーランドで開かれたワークショップWorkshop on Mathematical User Interfacesにおいて発表を行った。同時に開催されたデモセッションにおいても、AsirPadのデモを行った。さらに、AsirPadの問題点を探るために、AsirPadを用いてRSA暗号について体験し、その仕組みを学習する中学校・高等学校用教材を作成し、2005年3月に田川市立弓削田中学校において、この教材を利用した実践授業を行った。この実践授業によって、現状のAsirPadの問題点、及び今後改良すべき点を明らかにすることができた。これと同時に、教育現場におけるPDAと手書き数式インターフェースの有効性についても検証できた。この研究成果は、2005年3月に神戸大学で開催された研究集会Risa/Asir Conference 2005において発表した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
京都大学数理解析研究所講究録「数学解析の理論的展開の計算機による支援・遂行可能性」 1381
ページ: 42-50
Proceedings of the Workshop on Mathematical User Interfaces (online)
京都大学数理解析研究所講究録「Computer Algebra - Design of Algorithms, Implementations and Applications」 1395
ページ: 132-137