研究課題
相互に比較可能でないテスト同士を比較可能にする手続きを等化という。傾向スコアによって、相互に比較可能でないテストを比較可能にする手続きは魅力的であり、特に共通被験者デザインを用いて等化を行うとき、サンプルの偏りを修正するのに貢献すると期待される。しかしながら、最適な共変量および、その重み付けを求めるのは非常に手間のかかる作業である。本研究の目的は、最適な共変量と重みを自動的に探索するためのアルゴリズムを開発して等化を行うことである。本年度は、理論的根幹をなす部分の基礎付けを行い、次年度に引き継がれるべき満足な結果を得た。具体的には、等化に関する基礎研究として、連続反応モデルに焦点化した等化研究を行い、学術雑誌『行動計量学』にて報告した。また、大規模公的試験における等化の基礎研究として、わが国の大学入試センター試験における本試験・追試験のような状況設定における等化研究を行い、学術雑誌『日本教育工学会論文誌』にて研究結果を印刷中である。また、具体的な応用例として、センター試験『英語』の15年間(1990〜2004年)に渡る等化を行った。その結果は、学術雑誌『日本テスト学会誌』にて印刷中である。また、等化を行う前段階として、当該試験を尺度化する必要がある。尺度化と等化の2つを合わせて標準化という。尺度化の基礎研究と、して、完全情報最尤法に基づくセンター試験の分析を第46回日本教育心理学会において報告した。また、センター試験の本試験・追試験に関する分析をまとめた結果を印刷中である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)
日本教育工学会論文誌 28・4(印刷中)
日本テスト学会誌 1(印刷中)
行動計量学 31・2
ページ: 89-106
第46回 日本教育心理学会発表予稿集
ページ: 551