研究課題
1.低線量率緩照射によるp53とHdm2の蓄積誘導変化正常型p53細胞(A172細胞)に予めp53を蓄積誘導させた後、低線量率緩線照射を行った場合、p53蓄積量の衰退およびp53のリン酸化の減弱が認められた。一方、p53の分解を促進するHdm2の蓄積誘導およびHdm2のセリン166のリン酸化が認められた。このことから、低線量率緩照射されるとHdm2が活性化され、p53の分解が促進されていることが、p53の不感の原因であることが示唆された。2.予めの低線量率緩照射後の高線量率急照射によるiNOSの蓄積誘導高線量率急照射では線量依存的に変異型p53細胞においてiNOSが蓄積誘導されるが、正常型p53細胞(A172細胞)では蓄積誘導が見られない。同様に、低線量率緩照射でも正常型p53細胞においてはiNOSの蓄積誘導が見られない。一方、予めの低線量率緩照射の後直ちに高線量率急照射した場合には正常型p53細胞でも明らかなiNOSの蓄積誘導が認められた。またiNOSの蓄積誘導動態と一致して、正常型p53細胞の培養液中にコントロールレベルの2倍以上の亜硝酸塩の蓄積が認められた。これらのことから、低線量率緩照射されるとHdm2が活性化され、p53の分解が促進されて不感となることによりiNOSの転写誘導を抑制することができないため、後の高線量率急照射によってiNOSが蓄積誘導されて、NOが放出され、培養液中に亜硝酸塩が蓄積されたものと示唆された。3.予めの低線量率緩照射後の高線量率急照射による生存率正常型p53細胞(H1299/wtp53)に予めの低線量率緩照射の後直ちに高線量率急照射した場合、高線量率の単一照射と比べて明らかに放射線抵抗性を示し、放射線適応応答が認められた。一方、NOの消去剤であるc-PTIO存在下で高線量率急照射すると、この放射線適応応答が抑制されることが明らかになった。
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