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2004 年度 実績報告書

環境化学物質のトキシコグライコミクス研究及びコンビナトリアル化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16651026
研究機関東京都立大学

研究代表者

伊永 隆史  東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30124788)

研究分担者 伊藤 正善  東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (60381448)
キーワード糖鎖 / 多環芳香族炭化水素(PAHs) / コンビナトリアル化学 / 積層型マイクロチップ / キチナーゼ / リゾチーム / 酵素阻害
研究概要

糖鎖が生物の進化・分類に重要な役割を担ってきたという事実は、糖鎖が環境の影響を受けることを裏付けている。糖鎖構造の変化には酵素が深く関与していることから、本研究では環境化学物質の糖鎖関連酵素に対する影響を解明することを目的とし、環境化学物質が糖鎖関連酵素の作用を阻害することで引き起こされる生体影響を明らかにする方法論を"トキシコグライコミクス"と提唱してこの研究基盤を樹立することを目指した。酵素は、様々な生物において免疫と深く関わっているキチナーゼやリゾチームを用いて環境化学物質による酵素活性の阻害評価実験を行った。最初に、代表的な環境化学物質である多環芳香族炭化水素(PAHs)をこれらの酵素に作用させ、PAHsが酵素活性に影響を与えるのか検討した。その結果、PAHsはリゾチーム活性に影響を与えなかったが、キチナーゼ活性を阻害することを明らかにした。次に、糖加水分解酵素であるアミラーゼに対して既に阻害が明らかになっているフィチン酸に注目した。フィチン酸は、大豆や穀類などに含まれており、私たちが毎日体内に取り入れている物質である。この物質をヒトの免疫システムにおいて重要な役割を果たしているリゾチームに作用させ、リゾチームが酵素活性に影響を与えるのか検討した。その結果、フィチン酸はヒト由来リゾチームを阻害して免疫機構に影響を与える可能性が示唆された。また、この酵素反応系において積層型マイクロチップ上でコンビナトリアル化学の適用を検討するために、単層マイクロチップで酵素反応を行い、バッチ反応との比較を行った。その結果、マイクロチップを用いると酵素反応は早く進行することがわかり、マイクロチップの有用性を確認することができた。これにより、積層型マイクロチップを用いることにより、新規で一斉分析可能な化学物質影響評価手法を確立することが可能となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Droplets Formation from Microfluidic Device for Sampling and Measurement of Atmospheric Nitrogen Dioxide2004

    • 著者名/発表者名
      M.Kumemura, T.Korenaga
    • 雑誌名

      Analyst 192・2

      ページ: 105-106

  • [雑誌論文] 学術研究が産学連携ニーズから始まり社会還元の出口へ向かうとき2004

    • 著者名/発表者名
      伊永 隆史
    • 雑誌名

      学術月報 57・1

      ページ: 44-48

  • [雑誌論文] 小型可搬式飛行時間型質量分析計の試作と天然物・環境汚染物資測定2004

    • 著者名/発表者名
      伊永隆史, 伊藤正善, 城丸春夫
    • 雑誌名

      バイオインダストリー 21(11)

      ページ: 44-52

  • [雑誌論文] Synthesis and glycosidase inhibitory activity of some N-substituted 5a-carba-β-fuco-and-β-galactopyranosylamines, and selected derivatives2004

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Itoh, Takashi Korenaga, Seiichiro Ogawa, Shigeo Fujiedada
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicainal Chemistry 12

      ページ: 6569-6579

  • [雑誌論文] Convenient synthesis of (+)-valiolamine and (-)-1-epi-valiolamine from (-)-vibo-quercitol2004

    • 著者名/発表者名
      T.Korenaga et al.
    • 雑誌名

      Organic and Biomolecular Chemistry 2

      ページ: 1-7

  • [図書] マイクロ化学チップの技術と応用2004

    • 著者名/発表者名
      伊永 隆史
    • 総ページ数
      72-81
  • [図書] 4 分析化学2004

    • 著者名/発表者名
      伊永隆史, 久米村百子
    • 総ページ数
      33-46
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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