研究概要 |
食道がん培養細胞株31株について、本実験に用いる細胞株を決定するためミトコンドリアゲノムDNAのDループ領域の塩基配列を調べた。コモン配列と異なる塩基の数が多い株2株(KYSE-170,KYSE-410)を選択した。また、食道がんにおいて高頻度に変異が見られるD310のCの繰り返し数がヘテロになっている株2株(KYSE-30,KYSE-170)を選択した。さらに、放射線高感受性を示す株1株(KYSE-190)を選択した。これら5株について、X線照射後の生存率を調べ、生存率0.01となる照射量を決定したところ、KYSE-30,KYSE-110,KYSE-170,KYSE-190,KYSE-410において、それぞれ9,7,11,4.5,7 Gyであった。 老化細胞などに見られる特異的欠失、Δ4977を検出するため、特異的欠失の外側と内側に蛍光プライマーを設定し、PCR後Gene Scanによって検出可能な系を確立した。また、食道がんにおいて高頻度に変異が見られるD310の繰り返し配列に関しても蛍光プライマーを用いたPCR後Gene Scanによってそれぞれの存在比を定量出来る系を確立した。さらに、突然変異を検索するため、ミトコンドリアゲノム上の遺伝子であるCOI (cytochorome oxidase subunit I)をPCR-塩基配列決定法により解析する系を用意した。
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