種々の陰イオン存在下にて希土類化合物ナノチューブの合成を試みたところ、硫酸イオン存在下で生成するナノチューブがマイクロ構造体の構築に適していることを明らかにした。 石英基板上に希土類化合物ナノチューブが基板に対してほぼ垂直に成長する条件を最適化し、ナノチューブから成る薄膜を得ることに成功した。さらに、この薄膜上に、スパッタリング装置を用いて金をスパッタリングすることによって、金ナノ粒子が薄膜上に分散することを確認し、この薄膜がナノ粒子の良好な分散媒体であることを明らかにした。 また、ガラス基板上への希土類化合物ナノチューブの析出実験を行い、ナノチューブが基板上に密に接着性良く析出する条件を調べ、次に、マイクロリアクターへの応用を考えて200μm及び400μmの内径を有するガラス管内部へのナノチューブの析出実験を試みたが、現時点では管内への原料成分の拡散が悪いために内壁をナノチューブで完全にコートするまでにはいたっていない。 物性評価としては、希土類化合物ナノチューブのガス吸着特性評価の際の前処理条件の最適化を行い、低圧部から大気圧部における各種ガスとの相互作用を調べた。 また、既報に従って、水熱法による水酸化ナトリウム水溶液中での酸化チタンナノチューブの合成とシリカ系ナノチューブであるイモゴライトの合成を試み、粉末X線回折測定や透過電子顕微鏡観察によってナノチューブの生成の確認を行い、合成に関するノウハウを蓄積した。
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