ZFの設計・合成・ドットとの結合 1)モチーフの認識アミノ酸残基と被認識側塩基の対照表を用いて、ZFアミノ酸配列とDNA塩基配列の基本設計を行った。ZF1個ではDNAとの結合が弱いので、ZF2個を単位に結合を強くするため種々の工夫を行った。2)まず、Tbp^<Ru>-ZF(太字はTbp^<Ru>-F1F2:GCRICGRNFSRSDDLTRHIRTHTGEKPYGCRICGRNFSRSDHLTRHIRTHTG-Tbp^<Ru>F3F1-C10: CCCCCCCCCC-TGEKPY-GCRICGRNFSRSDNLTRHIRTHTGFKPYGCRICGRNFSRSDDLTRHIRTHTG DNA認識部位)の増産を行った。ペプチドの合成は配列がシステインを含むことを利用して、nativechemical ligation法を固相法と組み合わせて行った。同時にフィンガー部のアミノ酸配列をF1F1に変え、オスミウムを導入した化合物の合成も行ったが、余り再現性の良い結果は得られなかった。3)一方、ZFのN-端にシステインパッチを結合させたF3F1-C10の合成を当初の計画に従って試みたが、システインパッチは極めて酸化されやすく、この計画は途中で断念せざるを得なかった。 そこで新たにシステインパッチの変わりに、より空気中で扱いやすいと予想される重金属結合蛋白質メタロチオネイン(MT)を用いることにした。MTの合成は固相法により行い、切り出し後の精製には分取HPLCを用いた。同定はESI-TOFマス使用した。4)MTとドットとの1:1結合を実現する条件を探索した。ドットとしてCdS、Auを選び、それぞれ約2-3nmのサイズのものを合成したが、ともにMT部位がないとZF構造を破壊することがわかり、最終的に極微小ドットである水溶性Au55の使用を選択した。現在MT-Au55系の形成を検討中である。
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