研究課題/領域番号 |
16651064
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山本 浩之 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021151)
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研究分担者 |
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60291390)
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キーワード | リン酸化タンパク質 / バイオミネラリゼーション / 炭酸カルシウム / リン酸化アミノ酸 / ポリペプチド合成 / 規則構造 / 結晶成長 / ナノ材料 |
研究概要 |
バイオミネラリゼーション(生石灰化)は、水産学、生物学、生化学、および分子生物学からの大変永い研究史があり、国内外の広範な分野の研究者が今なお積極的に取り組んでいる生命科学の根元的研究課題である。リン酸化アミノ酸を含むタンパク質は、カルシウムイオン(Ca^<2+>)に代表される二価金属イオンと複合化し、歯牙、骨、貝殻などの石灰化組織(バイオミネラル)を形成する。リン酸化タンパク質は、翻訳後のリン酸化によって生合成されるので、遺伝子工学的手法では作ることができない。我々は、明確な化学構造を持つリン酸化ポリペプチドの化学合成に初めて成功した。さらに、合成リン酸化ポリペプチドとCa^<2+>との結晶成長条件を制御することで、天然の巻き貝に見られるような螺旋対称結晶を作成した。以上の知見をもとに、本申請課題では、生体が持つ幾何学構造の発現機構を解明しつつ、新規ナノ材料への応用を含めた萌芽研究を展開した。 1.結晶成長制御に有効なリン酸化ポリペプチドのアミノ酸配列設計と合成 生石灰化機構部位として、リン酸化セリンとアスパラギン酸を選択し、この2つのアミノ酸を含むポリマーの化学合成法を実験的に確立した。同時に天然生石灰組織に含まれるタンパク質の周期構造に関する学術調査を行い、これをもとに、新たな生石灰化機能ポリペプチドを設計し、実際に合成し、得られたポリマーのキャラクタリゼーションを行った。 2.合成ポリペプチドと金属イオンとの会合反応の特徴 上記の実験で得られたポリマーと種々の無機金属塩から複合結晶を作成し、それらの微細構造、金属含量、晶系などの特徴を系統的にまとめた。これらの知見から、合成ポリペプチドを基質成分として無機複合結晶が生成するときの化学量論、金属の種類、吸着平衡を含む動力学的機構を把握できた。 3.合成ポリペプチド共存系における炭酸カルシウム・リン酸カルシウムの結晶成長機構 上記2においで得られた知見をもとに、基質ポリマーに含まれるアミノ酸の種類を変化させ、炭酸カルシウムあるいはリン酸カルシウムとの複合結晶化によって得られる結晶形態を比較し、結晶成長機構を明らかにした。
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