研究課題/領域番号 |
16651078
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
奥山 直樹 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (50017406)
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研究分担者 |
角田 直人 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70345437)
山田 幸生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10334583)
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キーワード | Diamond-like Carbon (DLC) / プラズマCVD / 電気絶縁膜 / マイクロプローブ |
研究概要 |
高周波プラズマCVD装置をベースとした、針型マイクロプローブへのDLC成膜装置の改良と、高電圧パルス成膜法の有効性を検討した。昨年度までに開発した成膜装置は、成膜対象の針型プローブ(先鋭部径1μm、直径1mm、高さ50mm)自体をカソード電極とし、このカソード電極を中心に、ステンレスメッシュ製の円筒形電極(直径40mm、高さ50mm)をアノード電極(グランド)とした電極構造を有する。アノード内のプローブ周囲に比較的均一なプラズマの発生が可能であったが、特に先端部のDLC膜が変質する場合が観察されたため、印加電圧の制御方法について改良を実施した。具体的には、先端部は過度なイオン衝突による温度上昇が発生しやすいため、放電・冷却サイクルのパラメータを変更し、膜質との関係を検証した。絶縁破壊電圧が-400V、放電維持電圧が-120V、放電時間が5s以下、冷却時間が45s以上で膜の剥離や変性がほとんど起きないことを確かめた。本年度後半からは、さらなる膜厚化と多数プローブの同時成膜を目的として、3極構造とした高電圧パルス成膜を実施した。平行平板間でプラズマを発生させ(バイアス電圧-350V)、プラズマ中に第3の電極となるプローブを挿入し、これに高電圧パルス(-800V;10μs,100Hz)を付加した。安定した成膜が可能であり、1hの成膜時間で1μm以上の膜厚がプローブ全体で得られた。堆積した膜は水素を多く含有する重合膜に近いものであったが、高電圧パルスのパラメータを変更することで膜質の変更が可能であり、用途に応じた成膜を多数本のプローブに対して行える基盤技術を提供できたといえる。
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