研究課題
1.阪神・淡路大震災の被災者、あるいは、自治体職員による災害対応経験を記録した資料が多岐に渡るため、まず神戸市をモデル地域として作業を開始した。オーラル資料としては、語り部グループ研究、自治体職員を対象としたインタビュー調査で蓄積された資料、ドキュメント資料としては、「人と防災未来センター」に蓄積された資料を対象に、災害対応エピソードを抽出した。これらを災害対応の種別、分野、時期、場所等をキーに、後述2で整備するメタデータシステムにより整理・体系化し、<住民型災害対応データベース>の基礎を構築した。その際、心理学、社会学等の分野で展開されてきたオーラルヒストリー研究、ライフヒストリー研究、さらには、防災心理学の分野で注目を集めている災害エスノグラフィー研究成果を総括し、その導入をはかった。2.上述1の研究を推進するための基礎作業として、自治体職員、災害ボランティア、および被災者の災害対応エピソードをジレンマを伴う意思決定事態として定式化することを試みた。こうした定式化・標準化の作業によって、多岐にわたる災害対応行動を一定の形式(フォーマット)に従って、統一的に整理・体系化することが可能となった。さらに、同フォーマットは、これに時空間の情報、対応行動のカテゴリー種別等のパラメータを付加することによって、今後、クロスメディア型のデータベースへと拡張する際の基盤を提供し、併せて、意思決定を実際に参加者に求める形式の訓練素材として再整理することができる。これによって、本研究で整備した行動データベースは、今後の災害対応に備えた教育・啓発用のツールとしても活用することが可能となった。
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シミュレーション&ゲーミング Vol.14, No.2, December
ページ: 186-187
地域安全学会論文集 6
ページ: 277-281
第51回日本グループ・ダイナミックス学会発表論文集 5
Proceedings of International Conference of Simulation and Gaming
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