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2005 年度 実績報告書

自己診断に基づくリアルタイム信号補正機能を有する高精度地震観測装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16651091
研究機関東京工業大学

研究代表者

盛川 仁  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60273463)

研究分担者 杉野 暢彦  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60242286)
キーワード地震計 / ステップレスポンス / フィルタ / マイクロコンピュータ / 自動キャリブレーション / 一自由度系 / 固有周期 / 減衰定数
研究概要

前年度までに開発してきたデジタル信号処理のためのアルゴリズムの検証を行った。そのために,まず,日立製マイクロコンピュターH8を用いた信号処理のためのハードウェアを製作し,これを地震計と接続して,データを解析するためのシステムを構築した。地震計の出力は非常に微弱な信号で,直接,マイクロコンピュターのA/Dコンバータに入力する事ができないため,前段にシンプルなDCアンプをもうけた。安定した増幅が可能となるように低ノイズのOPアンプによる増幅回路を検討し,OPアンプの負帰還2段増幅回路とすることで,ある程度,安定した解析ができる事を確認した。また,地震計の自由振動やステップレスポンス以外の微動ノイズの影響を最小限とするためにフィルター回路を挿入した。これは緩やかなバタワース特性を有するアクティブフィルタとして回路からのノイズの影響を極力回避し,かつ,位相の乱れを少なくするように工夫した。
地震計のキャリブレーションを行うためには,振り子にインパルス応答をさせる必要があるが,マイクロコンピュターのD/Aコンバータを利用して適当な電圧の電流を地震計のコイルに流すようにした。ただし,このようにして得られる電圧変動は,厳密にはステップ型の電圧変化ではなく,電流が流れ出すまでに微妙な時間遅れが生じ,地震計の振り子のレスポンスが単純なステップレスポンスの理論通りではないことが明らかとなった。そこで,アルゴリズムを改良し,ステップレスポンスの形状にフィットするようなパラメータ探索を行うようにした。ただし,現時点では,マイクロコンピュターの制約により,浮動小数点演算ができないため,この部分の解析を外部の汎用CPUを利用して別に計算する必要がある。今後は,このような問題を解決し,リアルタイムの自動処理が可能なシステムの構築に向けたアルゴリズムの改良とシステムの開発を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] A Method for Estimation of 2-D Subsurface Structure using Gravity and Microtremor Data Simultaneously2006

    • 著者名/発表者名
      Sakai, K., MoriKawa, H.
    • 雑誌名

      Proc. of Third International Conference on Urban Earthquake Engineering

      ページ: 609-616

  • [雑誌論文] 超高層免震建物の長期観測システム構築に関する具体的取り組み2005

    • 著者名/発表者名
      大木洋司, 山下忠道, 盛川仁, 山田哲, 坂田弘安, 山中浩明, 笠井和彦, 和田章
    • 雑誌名

      日本建築学会技術報告集 No.21

      ページ: 73-77

  • [雑誌論文] A Study to Estimate the Phase Velocities of Microtremors using Time-Frequency Analysis2005

    • 著者名/発表者名
      MoriKawa, H., Udagawa, S.
    • 雑誌名

      Proc. of ICOSSAR '05 --- 9th Int'l Conference on Structural Safety and Reliability

      ページ: #168

  • [雑誌論文] Detailed Analysis for Earthquake Source Spectrum Represented by Stochastic Impulse Train and Its Applications2005

    • 著者名/発表者名
      Morikawa, H., Swada, S., Ono, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Seismology Vol.9,No.2

      ページ: 151-170

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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