研究課題
我々は段階的サブトラクションとDNAチップによって血管炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)という典型的な自己免疫疾患を対象として、その病因遺伝子のクローニングを進めてきた。本年度はSLE患者の血液細胞で特異的に転写誘導されている遺伝子を多数見出したので、その解析を進めた。そのうち十数種類の遺伝子についてリアルタイムPCRによって各患者ごとの転写レベルを解析し病態と比較した。対照としてSLE症状を併発しやすいITP患者を解析した。リアルタイムPCRによって各患者ごとの転写レベルを解析したところ、以下の8つの遺伝子がSLE(ITP)患者で有意に転写誘導されていた;interferon(IFN)-α-inducible protein 27 (IFI27), IFN-α-inducible protein IFI-15K (G1P2), IFN stimulated gene 20kDa (ISG20), epithelial stromal interaction 1 (EPSTI1), defensin-α(DEFA), amphiregulin(AREG), 2個の新規遺伝子(1AL050290, AY358224=SLED1)。このうちIFI27, G1P2, SLED1はSLE特異的に、AREG, AL050290はむしろITP特異的に転写誘導されていた。インターフェロン関連の遺伝子がSLE特異的に転写誘導されていることはすでに知られていたことだが、今回新たに単離・同定したIFI27, G1P2, ISG20もインターフェロン関連の遺伝子であり、多数の患者にわたっての相関係数も高かった。その他の今回新たに見出したSLE特異的に転写誘導されている遺伝子の機能解析が今後の課題となる。
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