• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

動物個体のリアルタイムイメージングを可能とする生物発光小分子プローブの創製

研究課題

研究課題/領域番号 16651106
研究機関東京大学

研究代表者

浦野 泰照  東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (20292956)

キーワード生物発光法 / 光誘起電子移動 / ルシフェリン / 論理的設計 / 蛍光エネルギー移動 / ルシフェラーゼ / 個体イメージング / TokyoGreen
研究概要

昨年度までの研究で確立した、生物発光特性の電子移動による制御(Bioluminescent enzyme-induced electron transfer;以下BioLeTと略す)に基づくプローブ設計に必須となる、発光On/Offの境界電子密度を正確に決定するため、様々な電子密度を有する芳香環を持つパイロット化合物を合成し、その発光特性を精査した。その結果、アミノルシフェリン発光中間体に対する電子移動はアニソール程度の芳香族化合物でも起こりうる一方、発光中間体を電子供与体とするd-BioLeTはニトロベンゼン程度の電子受容能では起こりえないことが明らかとなり、a-BioLeTによるプローブ化に適した骨格であることが明らかとなった。次にアミノルシフェリンと通常のルシフェリンの発光波長が40-50nm程度異なることを利用し、ウェスタンブロットの2次抗体用の酵素として汎用される、HRPとALPの同時定量を試みた。具体的にはHRP/過酸化水素系の発光プローブとして昨年度までに開発に成功したAPLを、ALPのプローブとしては市販のリン酸化ルシフェリンを用い、両者の混在する発光からスペクトル分析で2種の発光を分離することを試みた。具体的には両酵素を任意の割合で混合し、ここに2種のプローブを添加した後、ルシフェリン、ATPを加え、2種の発光スペクトルの分離定量を試みた。その結果、545nmと615nmのフィルターを用いて得られる発光強度を、基準スペクトルパターンに基づいて解析することで両者の分離が可能であり、実際HRP, ALPの活性を同時に検出・定量出来ることが示された。本結果は、ウェスタンブロット膜上における2種以上のタンパクの定量を、同時に信頼性高く行うことを可能にするものであり、分析手法としての生物発光法の幅を広げる画期的なものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Mechanism-Based Molecular Design of Highly Selective Fluorescence Probes for Nitrative Stress2006

    • 著者名/発表者名
      Tasuku Ueno
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 128

      ページ: 10640-10641

  • [雑誌論文] Creation of Superior Carboxyfluorescein Dyes by Blocking Donor-Excited Photoinduced Electron Transfer2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Mineno
    • 雑誌名

      Org. Lett. 8

      ページ: 5963-5966

  • [雑誌論文] Tunable Design Strategy for Fluorescence Probes Based on 4-Substituted BODIPY Chromophore; Improvement of Highly Sensitive Fluorescence Probe for Nitric Oxide2006

    • 著者名/発表者名
      Yu Gabe
    • 雑誌名

      Anal. Bioanl. Chem. 386

      ページ: 621-626

  • [図書] 生物工学会誌2006

    • 著者名/発表者名
      浦野 泰照
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      日本生物工学会

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi