研究課題/領域番号 |
16651110
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂田 完三 京都大学, 化学研究所, 教授 (20087563)
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研究分担者 |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
清水 文一 京都大学, 化学研究所, 助手 (50324695)
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キーワード | β-プリメベロシダーゼ / フルカチンヒドロラーゼ / ジグリコシダーゼ / β-primeveroside / Penicillium multicolor / Aspergillus fumigatus / 6-位修飾グルコシド / 擬似糖 |
研究概要 |
植物由来のジグリコシダーゼとして、チャ葉β-プリメベロシダーゼ(PRD)およびムシカリ葉由来のフルカチンヒドロラーゼ(FH)の大量発現系を構築し、これら植物および微生物(Penicillium multicolorおよびAspergillus fumigatus)由来のジグリコシダーゼ、あわせて4種のジグリコシダーゼの基質特異性を比較した。微生物由来の2つのジグリコシダーゼはβ1,6-結合を有する二糖配糖体ばかりでなく、6-O-置換のβ-D-glucopyranosideも基質とすることに注目して、6-位周辺の構造情報を得るための様々な擬似糖β-D-glucopyranosideを合成しこれらに対する上記ジグリコシダーゼの基質特異性を調べた。β-p-Nitrophenyl-β-D-glucopyranosideの6-位に、硫黄原子を介して、xylopyranoside構造を、もしくは炭素数2から6の直鎖の末端に水酸基を有するもの、炭素数3に水酸基を2つ持つもの、炭素数4で分岐鎖を持つもの、および天然にも存在する6-O-malonyl体をそれぞれ2〜5段階で合成した。 それぞれの酵素の加水分解活性を検討したところ、植物由来および微生物由来の酵素に対して以下のことが明らかとなった。 1)単糖に対する活性との比較から、微生物由来の酵素二者では6位に導入される構造は必ずしも糖の構造である必要はなく、ある程度の大きさを持ち、かつ水酸基などの極性基を有する擬似糖であれば基質として認識しうる。 2)PRDは天然の基質であるβ-primeveroside以外の合成した擬似糖を基質として認識しなかったことから、xylose構造周辺には立体障害があり、基質の大きさ、構造に対する許容範囲は微生物由来の酵素に比べて非常に小さい。 (2005年度農芸化学会発表予定)
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