研究概要 |
本研究は妙峰山廟会の文献研究ではなく、現地調査による実態把握にある。申請書の「研究計画・方法」に記した(平成16年度の計画)にそって報告する。初年度は基礎データの収集につとめた。 1,(碑文の確認) 石碑は34基ほどあることがわかった。年代の判明したものは、康煕1基、乾隆4基、道光1基、民国1基、1988,90,92,95,98年各1基、2001年5基、02年1基、03年2基、04年2基であった。 2,(未見資料の収集) 中国科学院図書館、上海図書館を中心に数点コピーし、ほぼ必要な資料は入手した。 3,(現地調査)4,(聞き取り調査)5,(秋季進香の調査) 中国社会科学院教授賀学君氏と北京大学、北京師範大学の院生5名、名古屋大学院生1名の協力を得て、(1)春季(旧4月1日〜15日)、(2)秋季(旧8月1日〜15日)および(3)国慶節の連休(10月1日〜7日)の3回実施した。それぞれ廟会に参加した民間信仰組織(香会)の数、入場券発売数からみた一般参拝者の人数などを調べ、大量のアンケート、聞き取り調査をおこなった。 (1)春季:香会は55組、参拝者は13,977名、 (2)秋季:香会は8組、参拝者は4,861名 (3)国慶節連休:香会は、0、参拝者は10,774名(国慶節期間は本来廟会とは関係がないため宗教行事はない。そのため香会はなく、また参拝者というよりは行楽客である) アンケートは春季のみで、合計179件収集した。 春季間の碧霞元君廟における寄付金は15日間で50,098人民元、そのほか米、マントウなどの現物も奉納されている。香会組織の宣布文や祈願文などの実物は5点収集した。アンケート回答数、聞き取りテープの量は相当数あるので、整理と分析を現在進めているところである。
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