研究概要 |
2004年4月より明治大学経営学部の「コミュニケーション英語・中級」の授業において、学習ストラテジー指導を1年間実施した。このクラスの目的は、オーラルコミュニケーション・スキルズの上達であったので、テキストは、パブリック・スピーキングを学習するアメリカの教科書であるGetting Started in Public Speaking (Payne & Carlin, 1985)を採用した。被験者は、このクラスを履修している大学生15名である。クラスの構成は1年生3名、2年生11名、3年生1名であり、うち8人が女子学生、7人が男子学生である。学生は前期13回、各90分の授業を受け、ストラテジー・トレーニングを計10回受けた。 この授業の研究データとしては、学生のストラテジーの使い方を見るためには、学生が書いたジャーナル、学生のスピーキング能力の向上を測るためには、ビデオ録画がある。まず、ジャーナルであるが、最初の授業で、学生に学習ストラテジー一覧表を配布し、それぞれの学習ストラテジーの名前と定義を簡単に紹介し、学習ストラテジーの英語学習における有効性について説明した。さらに、英語の学習で、どの学習ストラテジーを、どの程度使用したかについて、毎週の課題となっているジャーナルに書くように指導した。学生は、1年間、このジャーナルに自分の英謌学習を記述した。次に、学生が"My Future Career"というタイトルで4月と12月にスピーチをし、それをビデオ撮影した。同じタイトルのスピーチなので、学生のスピーチ能力の向上を測りやすいと思われる。今年度では、まずこのジャーナルの分析とビデオの分析を中心に行い、学習ストラテジー指導モデルを構築する予定である。
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