ストラテジー使用についての変化については、学生のジャーナル(学生が自分の英語学習について記録したもの)を用いて、データ収集を行った。去年のジャーナルでのデータ収集のときとは違い、ジャーナルにストラテジーの使用について明記することを学生に義務付けた。つまり、いつ、どのタスクで、どのように学習ストラテジーを使ったかを記録させた。また、ストラテジーを使用することで、どのような効果があったか、もしくは、なかったかを記録する自己評価についても書き加えるように指導した。そのジャーナルで、どのようなストラテジーを使用したか中心にコードづけして分析した。コードの数は、今のところ20以上になっている。また、学習ストラテジー使用の変化だけではなく、それに伴いスピーキングのスキルの上達についても調査するために、指導当初に行ったスピーチのビデオと指導後に行ったスピーチのビデオを比較し、どのような変化があったか、分析を試みた。ビデオの分析にあったては、何を評価するかについて試行錯誤した。前もって準備されたスピーチなので、informative speechなら、どのようにスピーチに情報を盛り込むか、persuasive speechなら、スピーチにより、どれくらい聴衆が説得されたか、entertaining speechなら、聴衆がスピーチによりどのように楽しんだかが問題である。また、文章の構成、語彙や用語の使い方などの原稿を作るさいのライティングや、ジェスチャーやスピーチの姿勢、声の抑揚や強弱などの物理的な作用など、一般のスピーキングの評価とは全く違う評価をスピーチの評価には用いることが妥当であるという結論に至った。
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