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2004 年度 実績報告書

近代日本とクリル諸島の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16652054
研究機関新潟大学

研究代表者

麓 慎一  新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (30261259)

キーワード千島列島 / クリル諸島 / 栖原 / 同化政策 / 樺太・千島交換条約 / アラスカ / 日露水産組合 / 郡司成忠
研究概要

本年度は、特にエトロフ島などの漁場を管理していた栖原家の史料を三井文庫で収集し分析することができた。さらにクリル諸島を主な漁場として活動していた漁業会社(「択捉水産株式会社」など)の史料を収集し分析した。また、昭和10年代のクリル諸島に関する北海道庁の政策の基盤となった詳細な調査記録を発見することができた。昭和10年代におけるクリル諸島北部の重要史料を発見できたことで、南クリルと北クリルを一体として分析できる可能性が生まれたことは、本年の大きな成果であった。
ロシア側の史料では、ビブリオクラーフア・イポニー(『日本関係書誌』)のクリル諸島関係とロシア海軍文書館の史料からアラスカ売却(1867年)後のクリル諸島と沿海州の通信・運輸の確保に関する資料を得ることができた。また、樺太・千島交換条約の過程で、すでに日本側が明治3年から4年にかけて在函館のロシア領事にこの問題に関して要請をしていたととが確認できた。とくに、サハリン島たおけるロシアの勢力の拡大と安定がその代替として日本が獲得できるクリル諸島の範囲に関連していることが解明できた。また樺太・千島交換条約以後のクリル諸島の諸民族に対する同化政策が、特に宗教政策として展開している点についても見通しを得ることができた。
日本政府のクリル諸島政策に強く関与した海軍中尉の郡司についての史料も千島報效義会の日誌と新聞史料、特に「北海道毎日新聞」などから新しい知見を得ることができた。郡司についは、その後水産組合の組合長になるなどクリル諸島を含む北方地域の漁業に強い影響力を行使する立場に就任することから、外務省外交資料館の史料と合わせて分析することで対ロシア強硬派と日本政府のクリル諸島政策の関係について具体的に分析する契機を得ることができた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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