研究課題/領域番号 |
16653001
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
葛西 康徳 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (80114437)
|
研究分担者 |
安西 眞 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90143320)
HENCK Nicholas 新潟大学, 法学部, 助教授 (80345488)
松本 英実 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 助教授 (50303102)
|
キーワード | 古典資料 / 法資料 / 比較文献学 / 写本 / 初期印刷本 / ギリシア / ローマ / フランス |
研究概要 |
本年度は2004年7月30日、北海道大学文学研究科において「古典資料と法資料に関する比較文献学的研究」第1回研究会を、2004年11月13日成蹊大学において第2回研究会を開催し、研究分担者の専門に根ざした発表を行い、比較の方法についての議論を深めた。 各研究分担者は以下のような研究を遂行した。 葛西は古代ギリシアについて、古典資料と法資料の両者の性格をあわせもつ法廷弁論作品について分析を行った。まず法廷弁論の写本と初期刊本の所在確認を行った(ケンブリッジ大学、ルイ・ジェルネ研究所(パリ))。またアリストテレス『弁論術』の注釈の準備を開始し、弁論作品における法の記述のテキスト上の異同について資料収集を開始した。デモステネスに関する論文を発表した。 安西はエウリピデスのテクスト・コメンタリーを、写本と印刷本の比較を行いながら遂行している。1993年から2003年までに刊行されたKovacsによるエウリピデス校訂の批判を書評の形で発表した。 ヘンクは後期ローマ帝国におけるキリスト教作家(アンミアーヌス・マルケリウス)の弁論作品における法律の記述について分析と写本の照合を行った。皇帝コンスタンティウスに関する記述について、東北学院大学において行われた西洋史学会で発表した。 松本は、16世紀フランスの法資料について、特に裁判所の設立過程に関する資料を含む印刷本を収集し、分析した。そこでは裁判所設立における母型となる王令と、そのヴァリエーションによる各地での制度設立が観察される。このような王令の性質を革命後の新法との比較、関連という文脈においてとらえた論文をフランス民法典200周年記念論文集に寄稿した。
|