研究課題/領域番号 |
16653008
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩橋 健定 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50293999)
|
研究分担者 |
太田 勝造 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40152136)
堀田 昌英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50332573)
|
キーワード | 情報 / 情報公開 / 個人情報保護 / 合意形成 / ADR / ゲーム理論 / インセンティブ / シグナリング |
研究概要 |
本研究は、法現象を情報の収集・加工・発信のプロセスの連鎖として捉え直すことにより、多様な法現象を一括して分析する手法を開発し、現代的法分野に広く適用可能な新たな基礎理論を構築することを目指すものである。本年度においては、研究の初年度として、以下の研究を遂行し、所要の成果を上げた。 (1)法現象を情報の流れとして捉えた既存研究の網羅的検討 法現象を情報の連鎖として捉えた既存研究は、「法と経済学」の分野において「情報の経済学」の成果を取り入れようとする試みを除けば、極めて抽象的な基礎理論に関する研究と、特定の問題の解決を目指す研究において、必要な限りにおいて行われているにとどまり、十分な蓄積はなされていないことが明らかとなった。 (2)情報・議論・法現象に関わる基礎理論とその応用 議論の可視化や法解釈の自動化を目指す上では、情報・議論・法現象に関する各種の基礎理論を高度に発展させた上で、必要な科学技術を発見・発展させる必要が生じる。太田(研究分担者)及び堀田(研究分担者)は、これらの試みの中で、法現象を従来扱ってきた法学の科学としての特殊性や公共プロジェクトをめぐる決定や紛争マネジメントに関する研究成果を挙げ、本年度中に公表した。 (3)具体的法現象の情報分析とその可視化 法現象を情報の流れとして捉えることは、法の対象自体が情報である分野においては不可避である。本年度においては、そのような分野の一つとして、情報公開と個人情報保護について取り上げ、遺伝子情報の保護について具体的な研究成果を挙げてこれを公表した。
|