研究概要 |
本研究の目的は、多国籍企業や外国人労働者を抱える日本国内の企業等で生じている異文化摩擦に関して、属性等の原因条件から因果関係を分析しうる方法を構築することにある。 まず、異文化摩擦の動向を見るために日本における外国人労働者の現状分析を行った。1980年代後半から外国人労働者数は年々増加傾向にあり、外国人労働者数も増えている。2002年度の外国人労働者数76万人は、日本で雇用される労働者全体(2002年:5,331万人)の1%以上に相当する。外国人労働者数の増加に伴い、雇用と従業員の間で異文化摩擦も含めて様々な問題が起こっている。日本国内の外国人労働者を抱えている企業の雇用者と従業員の不満に関して、雇用者側の不満は、言語・文化等のコミュニケーション等が上位を占めており、一方、従業員側の不満は、ボーナス・賃金等の金銭問題や社会保険や税金等の社会保障制度が目立つ。すなわち、雇用側の不満は人が、従業員側の不満は物が対象となっており、異文化摩擦は顕在化しにくい問題となっている。 異文化摩擦を分析するための手法として、Quine-McCluskyアルゴリズムと信頼区間等の統計的妥当性を組み込み、決定木分析のアルゴリズムであるカイ2乗検定・ジニ係数等を併用する方法を開発中である。
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