これまでの派遣型労働の調査をふまえ、国内外の派遣型労働の事象を調査した。 派遣型労働は、自立型労働形態であり、その派遣型労働の価値増殖過程には、個々人の職業意識が重視点である。派遣型労働者(登録者含む)の資性、技能両側面における能力開発は、派遣型労働として稼働しない限り労働管理者が存在しない派遣型登録者にとって、社会的機能性をもったシステム化が必要と考える。この見地から、国際人材派遣事業団体連盟の動向とドイツのデュアルシステムの機能性にある機軸を考察し、政治的文化的差異はあるものの国内調査において行政および事業体等への提言を行ってきた。 1.2004年度国際人材派遣事業団体連合世界大会に参加 人材派遣事業界の現状と検討されている方向性、課題を確認 2.職業能力開発における行政、地域、企業、教育機関の社会的体系と機能調査 ドイツの雇用政策の一環であるデュアルシステムの社会的体系と機能について取材調査を行い、各々の機関の体系と機能性と各々の機関の機能関係性を考察した。 3.国内の派遣型労働の能力開発事情の調査と提言 これまでの国際的見地から考察した職業能力開発の機能体系とわが国の派遣型労働事象をふまえて、派遣型労働価値を高めるための社会的機能の連鎖性を提言した。 4.国内の一部地域における社会的機能のシステム化の調査と考察 一部地域による行政と派遣元事業所との連携による能力開発システム化について調査をし、現状の課題と今後の展望について考察を行った。 今後、これまでの調査成果を提示していくと共に、日々一刻と変化をなす社会状況を引き続き調査を行っていく。また、次年度に向けて各団体との意見交換の場を設け、派遣型登録者および労働者の能力開発の社会的機能化を図り、派遣型労働の人間的側面を意識した価値増殖過程としたい。
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