16年度の研究実績は以下の通りである。 1)ソーシャルワークのなかに従来等閑視されがちなターミナルケア、自殺などの死の領域(「死生臨床」)を学問的に体系づけて援助論の枠組みのなかに位置づけを考察するにあたり、文献を収集し整理した。 (1)国内における先行研究(関連文献)の蒐集とレヴューした。 (2)欧米におけるこの課題に対する先進的な理論枠組みの文献レヴューした。 2)上記の課題に即した援助の枠組みとして、「スピリチュアリティ」の概念と定義について検討した。北米におけるソーシャルワークとスピリチュアリティに関連する研究の第一人者であるカンザス大学のカンダ(E.Canda)教授と研究交流をもち、「ソーシャルワークとスピリチュアリティ」について知見を得た。 3)ソーシャルワークにおけるナラティヴ論について特にその限界点と課題についての視座を考察した。その可能性に触れるとともに、限界点について5点に分けて整理して分析し、日本社会福祉実践理論学会において報告した。学会誌14号に掲載予定。
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