研究分担者 |
守 一雄 信州大学, 教育学部, 教授 (30157854)
中野 明徳 福島大学, 大学院・学校臨床心理専攻, 教授 (20119605)
小林 正幸 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター教育臨床研究部門, 教授 (70272622)
松井 賢二 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (80199728)
小野 昌彦 奈良教育大学, 教育実践総合センター, 助教授 (40280143)
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研究概要 |
人間の意味記憶の中は、いろいろな概念が互いに結合しあっていると考えられている。「成功」「幸福」などの良い概念同士の結びつきは強く、また、「失敗」「不幸」など悪い概念同士の結びつきも強いと考えられる。そこで、ある特定の「概念X」が良い概念と結びついている場合、「概念Xを良い概念に分類する課題」の方が「概念Xを悪い概念に分類する課題」よりも容易なはずである。これを逆に考えると、一方の課題の方が他方の課題よりも速くできる人は、特定の「概念X」を良い概念(あるいは悪い概念)と見なしていることがわかる。これがIATやFUMIEテストの基本原理であり、個々の課題の反応時間をパソコンを用いてミリセカンド単位で計測するのがGreenwaldら(1998)のImplicit Association Test (IAT)であり、紙に印刷された諸概念の分類課題の一定時間(30秒間)内の作業量を計測するのがFUMIEテストである。 しかしながら米田(2004)においてFUMIEテストの問題として,再検査法で求められた信頼性の低さが挙げられたため,この点の改良をめざしてF-1テストを開発した。F-1テストは従来の課題配置をA3用紙の横1列に配置していくことで全課題を用紙1枚にまとめることができ,かつ課題数を増やすことが実現できた。F-1テストの妥当性について検証するために、F-1テストとIATを同一被験者に実施し相関係数を調べた。IATとの関連性からF-1テストの妥当性を検証するため,両テストの潜在連想効果値の相関係数を求めた。その結果両テストの間に十分な相関は検証できなかった。F-1テストの信頼性を折半法により求めたところ中程度の相関(r=.52)が見られ,FUMIEテストでの信頼性(r=.27)を改良できたと言えよう。
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