研究課題/領域番号 |
16653062
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 安之 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 教授 (30195408)
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研究分担者 |
池見 陽 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (20159643)
伊藤 研一 学習院大学, 文学部, 教授 (60184652)
福留 留美 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助教授 (40295754)
田中 健夫 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助教授 (20294986)
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キーワード | セラピストフォーカシング法 / フォーカシング / スーパーヴィジョン / 心理療法 / セラピスト援助 / セラピストの行き詰まり / 主体感覚 / 初心者セラピスト |
研究概要 |
1 研究実施経過 吉良・池見・伊藤による研究打合せ後、各自が本方法を継続実施した。平成17年1月8〜9日に研究代表者・研究分担者・研究協力者(東京女子大学・近田輝行氏)による研究会議を開催し、上記3名の実践報告にもとづき、主に実施方法、スーパーヴィジョンとの比較、心理療法への効果を討議した。 2 研究結果 3名の研究者の実践は、セラピストを対象に、心理療法過程についてフォーカシングを継続的に実施した点で共通したが、本方法のねらいや期待される効果については若干の強調点の違いがあった。その点に関する討議により、本方法の実践における3つの様式が整理された。 (1)様式A:クライエントとしてのセラピストとのフォーカシング。セラピストフォーカサーがその都度もっとも扱いたいケースを取り上げてフォーカシングを行う様式(池見による実践報告)。本様式は、臨床指導を主眼としたスーパーヴィジョンとは異なる独自のセラピスト援助の方法となること、初心者セラピストにクライエント体験を提供するトレーニング・セラピーの要素が見られることを確認した。 (2)様式B:心理療法過程でのセラピストの行き詰まりについてのフォーカシング。特定のケースを取り上げて単発ないし数回継続してフォーカシングを行う様式(吉良による実践報告)。セラピストの行き詰まり感の吟味の結果として、セラピストの主体感覚の賦活化、心理療法過程の進展が確認された。 (3)様式C:心理療法過程に関するフォーカシング。継続的なスーパーヴィジョンの中での数回のフォーカシング・セッションにより、セラピストの心理療法過程への理解を深めることをねらう様式(伊藤の実践報告)。本実践により、心理療法過程がセラピストに明確になること、すなわちスーパーヴィジョンの一環としての本方法の意義が確認された。
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