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2006 年度 実績報告書

セラピストフォーカシング法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16653062
研究機関九州大学

研究代表者

吉良 安之  九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 教授 (30195408)

研究分担者 池見 陽  関西大学, 文学部, 教授 (20159643)
伊藤 研一  学習院大学, 文学部, 教授 (60184652)
福留 留美  九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助教授 (40295754)
田中 健夫  九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助教授 (20294986)
キーワード臨床心理学 / フォーカシング / セラピスト援助 / 心理療法 / スーパービジョン / フェルトセンス / 主体感覚 / 体験過程促進
研究概要

1 本方法の実施方法:事例に行き詰まりを感じたときの単発的実施、一人のセラピストとの継続的実施(扱う事例は複数)、継続スーパービジョン中での本方法の挿入的実施、の3つの実施様式がそれぞれ有効である。
2 本方法が心理療法に及ぼす効果と意義:本方法によりセラピストに体験的変化が起こり、それが治療関係に反映されることによって、心理療法過程に変化が生じることが期待できる。本方法がさほど効果を持たない例は見られたが、マイナスの影響が生じた例は見出されなかった。
3 主体感覚の観点から見た本方法の意義:心理療法中にセラピストが強い感情に圧倒されたり振り回されたとき(すなわち主体感覚の損なわれた体験状態のとき)、本方法で自らの体験を吟味することは、問題を整理し問題からの体験的距離を置く効果をもつ。それによりセラピストの主体感覚が回復する事例が複数見出された。
4 本方法のスーパービジョンとの比較:スーパービジョンはセラピストの外部のスーパーバイザーからのコメントを得る機会であるのに対し、本方法はセラピストの内部のフェルトセンスからのメッセージを得る機会である。本来はこの両者はしっかり組み合わさったときに十分な機能を果たす。その意味で、本方法はスーパービジョンとは異なる独自の機能を有するが、一方でスーパービジョンを補完する方法としても有効である。
5 本方法の意義の精神分析・イメージ療法の観点からの検討:(1)精神分析においては治療的に生じた人間関係の吟味と言語化が重視されるが、本方法により、治療関係を概念的のみならず具体的体験的に検討するための素材を得ることが可能である。(2)本方法の発想をイメージ療法に応用することにより、セラピストが事例についてイメージを用いて吟味する方法の開発が可能である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 試行カウンセリングのケースに適用したセラピスト・フォーカシング2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤研一
    • 雑誌名

      学習院大学文学部研究年報 第53輯

      ページ: 209-228

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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