研究課題
1.Duchenne型筋ジストロフィー児に対してWISC66名(平均10.5歳)、WPPSI35名(平均5.3歳)、新版K式17名(平均2.8歳)に対して知能、発達評価を行なった。(1)IQ69以下の精神発達遅滞は28.1%、IQ70-89が38%、IQ90-109が27.3%、IQ110以上が6.6%で平均知能以下が66%であった。検査を混みにした知能(IQ, DQ)の平均は79.3であった。(2)WISCのIQ、言語性IQが他の検査実施群より有意に高い得点であった。学齢前の患児のほうが知能障害が重度であった。この要因については今後の検討が必要である。(3)動作性と言語性のIQ差は検査の種類との交互作用があり、WISCにおいては有意差なし、WPPSIにおいては動作性IQが言語性IQより有意に高く、新版K式では言語・認知と社会・言語のDQには有意差がなかった。(4)下位検査の成績はWISCでは類似、算数、WPPSIでは理解、類似の言語性知能が低かった。2.Duchenne型筋ジストロフィー児17名(平均6.9歳)にITPA言語学習能力検査を実施した。下位領域の「ことばの表現」「動作の表現」の表出能力が他の下位領域に比べ有意に低かった。3.サザンブロット法、PCR法、RT-PCR法、直接塩基配列解析法により遺伝子異常を同定した症例について、遺伝子異常と知能との関連を検討した。欠失・重複例(72名)と微小変異例(29名)で、IQの平均値の差はなかった。欠失・重複例(72名)について、大脳、脊髄をコントロールするエクソン44と45の間にあるdp140のプロモーターと知能の関係をみると、遺伝子異常がイントロン44より上流にとどまる群はイントロン44より下流に及ぶ群に比べ、IQ、動作性、言語性の知能とも有意に得点が高かった。微小変異例ではdp140のプロモーターで知能の平均値の差はなかった。
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