研究概要 |
文献調査等を通して,カリキュラムに関わる次の点を確認した。 「文字言語の使用は,書写技能に関わる部分だけを切り取って行われているわけではなく,実際の文字使用の場面では,特に『読むこと』『書くこと』などの言語活動と関わりながら運用されている。学習段階では,書写の学習内容の系統性を重視する考え方から便宜的に両者を分けて扱うことが多く効果もあるが,それに加えて書写と他の言語活動とを一体化させた学習活動を小・中学校すべての学年で組織することが,文字言語による生きた言語活動を営む学び手を育てる上で必要である。」 これを踏まえて,仮説として「<書写技能の系統的学習の系列>と<国語科の他領域(「読むこと」「書くこと」)の学習との関連を図る学習の系列>の二系列相互を有機的に関連させた形で構造化することが,国語科における言語の学習としての書写の位置づけを明確にし,かつ言語生活に生きる書写力の育成にとって有効である。」というカリキュラムの大枠を作成した。 また、この仮説についての予備的検証を広島県内の小学校2校(4・5・6学年対象)に依頼して実施した。検証結果は現在整理中である。 なお、平成17年度は,仮説と予備的検証の結果をもとにカリキュラム一次案を作成し,それを理論的・実践的にシミュレーションした上で、カリキュラム原案としてまとめる予定である。
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