1.応用数学科1年生の後期科目である基礎微分積分AB、基礎線形代数ABにおいて質問書方式を実践した。質問書方式について具体的に書くと (1)講義時間終了の10分前に講義内容を終え、学生が質問を書く時間をとる。 (2)学生が退出する際、質問用紙を教壇の上の提出ボックスに入れる。 (3)質問用紙を読み提出の有無をチェックし、質問を入力する (4)全員の質問の中から答える質問をピックアップする。 (5)回答をA4用紙両面一枚に収まるように作り質問用紙とともに人数分印刷する。 (6)講義が始まる前に回答と質問用紙を教卓の上に置き学生が入室時に各自で取る。 質問用紙・回答書は上質孔版紙に印刷して配布した。上記3における提出のチェック、データの入力は研究代表者が行った。回答作成のために購入したノートパソコンを用いた。集まった質問を講義担当者と一緒に読み、講義内容・方法・説明のしかたなどについて検討した。回答の内容について相談し、研究代表者が回答書を作成した。 2.後期終了後、質問を分析し、前期との違いからわかる質問書方式の特徴をまとめた結果を以下にまとめる。 (1)質問を書くという行為によって、講義に集中する度合いが強まった。 (2)回答書を配布することで他の学生の質問を読むことができ、考え方の多様さを個々の学生が知り、それぞれの知見を広めるのに役立った。 (3)講義者と受講生との間に双方向のやりとりができ講義の可能性が広まった。
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