研究課題/領域番号 |
16653094
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
宇野 宏幸 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (20211774)
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研究分担者 |
井澤 信三 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (50324950)
小島 道生 長崎大学, 教育学部, 講師 (50362827)
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キーワード | 行動 / チェックリスト / 教師支援 / ADHD / 広汎性発達障害 / 妥当性 / 信頼性 |
研究概要 |
小学校の通常学級において、行動上に問題のある子どもの「見立て」を支援するための行動チェックリストの開発を進めている。今年度は質問紙に新たな項目を追加するとともに、信頼性を検討する過程で4つの項目を1ユニットとして考え、これらユニットのグルーピングについて吟味した。調査対象:通常学級1・2年の担任、およびADHD児あるいは広汎性発達障害(PDD)児を1・2年で担任しているか、過去に担任していた教師。行動チェックリスト:具体的な行動特徴101項目について、「ある」・「ない」の2件法で評定を求めた。行動評定尺度:ADHD-RS-IV-JとASSQ-Rへの回答を求めた。対象群:分析は男子のみを対象とした。識別力:各項目についてADHD-健常群間、PDD-健常群問でφ係数を求めグループ間弁別の指標とした。ユニット化:ADHD群とPDD群を対象に、階層的クラスター分析をおこない項目間の類似度を求め、類似した4つの項目を1つのカテゴリーとしてまとめた。内的一貫性:設定した各カテゴリーについてα係数を求め、これが0.7以上であった10カテゴリーを「ユニット」として採用した。グループ化:各ユニットについて、「ある」と回答した項目の数をカウントして、0〜3点に得点化した。10個のユニットについて因子分析をしたところ、3つの因子が抽出された。第I因子は『自己制御』、第II因子は『社会的学習』、第III因子は『注意』と関連性のあるものと考えられた。因子間相関係数は、『自己制御』-『社会的学習』間が0.599、『社会的学習』-『注意』間が0.514、『自己制御』-『注意』間が0.491であった。判別的妥当性:抽出された因子によってADHD群とPDD群の判別分析をおこない、その結果をADHD-RSならびにASSQ-Rの得点を使用した場合と比較した。それぞれの全体の判別率は65.1%と72.0%であり、因子の得点を利用した場合にやや判別率が低かった。特にADHD群をPDD群と誤判別する割合が相対的に高い傾向にあった。
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