• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

非有理型を含む頂点作用素代数における環論・モジュラー形式論・群論の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 16654001
研究機関筑波大学

研究代表者

宮本 雅彦  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30125356)

研究分担者 藤田 尚昌  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (60143161)
田邊 顕一郎  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (10334038)
キーワードツー代数 / 擬トレイス関数 / モジュラー関数 / 有限群 / 対称代数 / テンソル積 / 頂点作用素代数 / ムーンシャイン予想
研究概要

頂点作用素代数は、モンスター単純群の既約表現の次元と楕円モジュラー関数の係数との関係から導きだされ、2次元共形場理論の厳密な数学公理を与えるものと理解されている。ところが、頂点作用素代数の公理からでは、これまでの数理物理が考えていたような次数関数の対角化可能性は出てこない。この事実は物理においても認識されてきており、この解釈を巡って,logarithmic型の作用素など、新しい展開が起こっている。頂点作用素代数のほとんどの結果は、有理型(対角化可能)の下で行われているが、有理型は非常に例外的なものでしかない。研究代表者の宮本は理論で問題となっていたlogarithmic型のトレイス関数の数学的な意味を明確にすることに成功した。また、モジュラー不変性との関係が予想されているテンソル積の研究を進め、C2有限条件の下で、テンソル積加群が自然に定義できることを示し、オービフォルド型の頂点作用素代数に対する応用を得た。この段階で最も重要な概念は、これまで半単純環としてしかほとんど扱ってきていなかったツー代数の環論的な考察である。本研究の初年度では、その考察を進め、それらのモデルとなるような例を多数構成することを目標とし、ジョルダン行列をグライス代数として持ち、任意の中心電荷を持つような頂点作用素代数の構成に成功した。これらのツー代数は多くの環の例を与えると予想され、それらの考察が次年度以降の目標である。また、ウエイト1の空間がないので、自己同型群は有限群だろうと予想でき、その考察もこの研究の主要目標の一つである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] A new construction of the moonshine vertex operator algebra over the real number field2004

    • 著者名/発表者名
      宮本 雅彦
    • 雑誌名

      Annals of Mathematics 159

      ページ: 535-596

  • [雑誌論文] Uniform product of Agn(V) for an orbifold model V and G-twisted Zhu algebra2004

    • 著者名/発表者名
      宮本 雅彦, 田邊 顕一朗
    • 雑誌名

      Journal of Algebra 274

      ページ: 80-96

  • [雑誌論文] Modular invariance of vertex operator algebras satisfying C2-cofiniteness2004

    • 著者名/発表者名
      宮本 雅彦
    • 雑誌名

      Duke Mathematical Journal 122

      ページ: 51-91

  • [雑誌論文] (Pseudo-)trace functions and modular invariance of vertex operator algebra2004

    • 著者名/発表者名
      宮本 雅彦
    • 雑誌名

      Pro.Inst.Mat.Nats.Acad.Nauk Ukr.Mat.Zastos 50

      ページ: 1145-1151

  • [雑誌論文] Z3 symmetry and W3 algebra in lattice vertex operator algebras2004

    • 著者名/発表者名
      田邊 顕一朗(他4名)
    • 雑誌名

      Pacific Journal of Mathematics 215

      ページ: 245-296

  • [雑誌論文] On the covering radius of ternary extremal self-dual codes2004

    • 著者名/発表者名
      田邊 顕一朗(他2名)
    • 雑誌名

      Designs Codes and Cryptography 33

      ページ: 149-158

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi