研究概要 |
コンパクトKaehler多様体が与えられたとき,それに付随して無限次元Kaehler多様体が標準的な仕方で構成可能であることが,Fujiki, Mabuchi, Donaldson等により指摘されている.その無限次元多様体は,位相的には可縮であり,一方その曲率は非正であることも知られている.すなわち,その空間は我々が求めていた「凸性」を有する.その応用として,コンパクトKaehler多様体へのシンプレクティックな群作用の「非存在」定理が期待される.コンパクトKaehler多様体へのシンプレクティックな群作用の非存在については,実2次元のときにのみ肯定的な結果が得られている(Polterovich, Franks-Handel)のみであり,高次元においては全く手つかずの状況である.今年度は,とくに高次元におけるシンプレクティックな群作用の非存在定理の証明を目指し,研究を行った.現時点までに得られた結果は部分的なものであり,直ちにそれを発表する予定はないが,本研究課題終了までには,完成にこぎ着けるものと考える.
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