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2005 年度 実績報告書

凸性による非線形性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 16654013
研究機関名古屋大学

研究代表者

金井 雅彦  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70183035)

キーワード凸性 / 測地カレント
研究概要

Diff_+(S^1)(円周S^1の向きを保つ微分同相がなす群)の等質空間Diff_+(S^1)/SO(2)に関する研究を行った.この等質空間が「凸性」を有することは極めて初等的に理解可能である.しかし,その高次元化を目指すに際しては,この最も簡単な場合をより多義的に理解することが必要不可欠であると考える.そこで,とくに等質空間Diff_+(S^1)/SO(2)を,S1上の射影構造,測度,測地カレント,非調和比などと言った幾何構造,あるいはシュワルツ微分やヒル作用素と言った微分作用素の空間と見なし,その凸性を説明する試みを行った.
この試行を通じて,とくに測地カレントが高次元化の可能性を有すると認識するに至った.双曲空間に付随して得られる"リューヴィユカレント"は,測地カレントの高次元化のモデルである.ちなみにリューヴィユカレントおよびそのある種の一般化は,研究代表者自身により1980年代後半になされた,負曲率多様体の測地流に対する力学系理論的研究にも登場する.研究代表者にとってもなじみ深いものである.
リューヴィユカレントのもうひとつの応用として,双曲空間内の超曲面のガウス写像の定式化があげられる.ユークリッド空間内の超曲面に関しては,その平均曲率が一定であるための必要十分条件はそのガウス写像が調和写像であることである.リューヴィユカレントを用いることにより,双曲空間内の超曲面に対しても類似の結果を示すことが可能である.また,「シャボン玉定理」,すなわち,3次元双曲空間内の種数がゼロの平均曲率一定な閉曲面は,測地球面に限ることも簡単に証明できる.
なお,以上に述べた研究はいずれも発展中のものであり,成果発表は次年度以降になる見込みである.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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