研究課題/領域番号 |
16654018
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
河村 新蔵 山形大学, 理学部, 教授 (50007176)
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研究分担者 |
佐藤 圓治 山形大学, 理学部, 教授 (80107177)
方 青 山形大学, 理学部, 助教授 (10243544)
澤田 秀樹 山形大学, 学術情報基盤センター, 教授 (30095856)
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キーワード | カオス力学系 / 位相共役 / 微分不可能性 / ハンケル変換 / 2点境界値問題 / 有限差分法 / ネットワークセキュリティ / インターネット |
研究概要 |
今年度の研究内容は次の通りである。 河村はカオス学系における確率密度関数の軌道について研究。とくに、1次元力学系に付随するPerron-Frobenius作用素による一様収束性について研究した。また、一般化されたテント写像群における位相共役写像の非微分可能性についてコンピュータにより実験し数学理論として証明を与えた。この理論は、同相写像において微分可能性を持つ点の集合も微分可能性を持たない点の集合が共にnowhere dense(いたるところ、稠密ではない)という特異な性質が存在することを示している。 佐藤はヤコビ直交関数系に関する関数空間上の作用素とハンケル変換上の作用素との関係について、その一般化を研究した。Lp空間上の平行移動不変な作用素について調べ、更に、Lpを含む関数空間の場合を研究した。また、単位円上のHausdorff-Youngの不等式に関するBochkarevの結果をLorentz-Zygmundの空間の場合に研究した。 方は常微分方程式の境界値問題を研究した。Ascher, Mattheij, Russellは1988年の著書の中で、2点境界値問題の新しい数値解法を記したが、その収束性の証明はopen problemとなっていた。このAscher-Mattheij-Russellスキームに対して、離散Green関数とM-行列等の性質を研究して2次収束であることの証明に成功した。 澤田は情報暗号理論について研究した。インターネットや交通機関などに求められる、便利かつ安全というような対立する複数の要素を統合して各要素のバランスをうまくとりながら、システム全体の効用(utility)を、向上させて行くことは可能であろうかという問題、すなわち「あちらを立てればこちらが立たない」という問題のモデル化を研究した。
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