研究課題/領域番号 |
16654024
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70263358)
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研究分担者 |
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50172284)
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キーワード | 自由境界問題 / 移動境界問題 / 自由境界の離散化手法 / Stefan問題 / 平均曲率流問題 / 界面ダイナミクス |
研究概要 |
Stefan問題や平均曲率流などの界面ダイナミクスを記述する自由境界問題に対する数学解析を行うとともにその時間離散化・時空間離散化の新たな手法の開発を行った。各分担者のそれぞれの専門を生かし、いくつかの類似した問題とそれらの解析手法の意見・情報交換を行うことで、そこにある数学構造の類似性が明らかになりつつあるとともに、今後の研究方向の策定を行った。これまでのところ得られた結果は以下のようである。 1.総変動量型の界面エネルギーを採用した2相間の界面ダイナミクスを記述する数理モデルを導出し、その解の性質について詳しく調べた。そこでは単調増大作用素に対する抽象的な数学理論を駆使し、解の一意存在や比較定理などの基本性質を示すとともに、2相が安定な定常状態であるための必要十分条件を導き、このような総変動量型の界面エネルギーを持つ数理モデルを新しい数理モデリングの方向を与えるものとして提唱した。 2.多孔質媒体中の自由境界問題を記述する数理モデルに対して、その移動境界を効率的に捕らえるための離散化手法を開発した。実際の数値計算アルゴリズムは非常に簡便なもので、実用性が高く今後の発展が期待される。本研究では収束証明などの数学的基礎付けを行うとともにその数値実験を通してこの新離散化手法の有効性を確立した。 3.平均曲率流問題に対するBMO型の離散化手法に対する数学解析を行った。このような離散化手法に対する新しい解析手法を提案し、いくつかの基本性質に対する数学証明を与えた。
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