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2005 年度 実績報告書

確率非線形分散型方程式に対する解の存在と漸近挙動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16654025
研究機関京都大学

研究代表者

堤 誉志雄  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)

研究分担者 重川 一郎  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
吉田 伸生  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40240303)
キーワードKorteweg-de Vries方程式 / 乗法性ホワイトノイズ / 解の時間減衰 / 指数マルチンゲール / Doobの不等式 / 確率非線形分散型方程式
研究概要

今年度は,非線形分散型方程式であるKorteweg-de Vries方程式に,時間ホワイトノイズを乗法的に付加すると,解の時間無限大での漸近挙動がどのように変化するかを研究した.非線形放物型方程式に対しては,時間ホワイトノイズ(すなわち,空間変数によらないホワイトノイズ)を乗法的に付け加えると,ゼロ解が安定化する現象は,2001年にCaraballo, Liu and Maoによって研究された.(常微分方程式に対しては,1978年にHaussmanによる関連した研究がある.)今回は,時間ホワイトノイズを乗法的に付加すると,解の空間変数に関する二乗積分ノルムが,ある意味で時間減衰することを証明した.非線形分散型方程式に対しては,従来加法性ノイズによる安定化現象に関する研究は多数行われてきたが,今回のように乗法性ホワイトノイズを付加し,ゼロ解の安定化現象を解析した結果はほとんど無かったと思われる.Caraballo, Liu and Maoの論文において用いられたリヤプノフ汎関数をKdV方程式に適用できるよう修正し,指数マルチンゲールに関するDoobの不等式を用いるのが証明のポイントである.また,この証明法は,修正KdV方程式のような非線形項を一般化したKdV方程式に対しても適用可能であるとともに,ソリトン解などの特別な解だけでなく一般解に対しても時間減衰を示した点が重要である.
今回は時間ホワイトノイズを扱ったが,時空間ホワイトノイズを乗法的に付加した場合の研究,及び乗法性ノイズと加法性ノイズの解に与える影響の相違についての研究は今後の課題であろう.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] $Lsp p$ multiplier theorem for the Hodge-Kodaira operator2005

    • 著者名/発表者名
      I.Shigekawa
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Mathematics 1857

      ページ: 226-246

  • [雑誌論文] Brownian directed polymers in random environment2005

    • 著者名/発表者名
      F.Comets, N.Yoshida
    • 雑誌名

      Comm.Math.Phys. 254・2

      ページ: 257-287

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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