カーボンナノチューブを陽極芯線として用いた比例計数管の開発を立教大学と共同して行なっている。カーボンナノチューブ試料の提供に関しては、産業総合研究所の協力を得て研究している。カーボンナノチューブを用いることにより、金属線や炭素繊維等の従来の材料に比べて格段に微細な陽極芯線が作れるため、比較的低いバイアス電圧によって電子なだれを起こすのに十分な強い電場を形成することができる。通常の比例計数管では不活性気体を放射線の吸収体として用いるが、本研究では、光電子の平均自由行程を強電場領域よりも小さくするために、液体アルゴンを用いることとした。今年度は、比例計数管の設計、試作および信号処理系回路を整備した。
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