本研究は、将来の大強度ニュートリノビームを用いたCP非保存探索実験のために、 1.反ニュートリノビーム生成の基礎研究 2.精密な反ニュートリノ反応の研究 を目的とする。 ビーム生成の基礎研究のため、H18年度は、9月にCERNで催された、世界中のニュートリノビームの専門家が集まる会議に出席し、大強度ニュートリノビームの生成技術について議論を行った。 反ニュートリノ反応の研究に関しては、K2K実験の前置検出器のうちScibar検出器を米国フェルミ国立研(FNAL)に移設し、MiniBooNE実験のビームを用い反ニュートリノ反応の研究を行うSciBooNE実験の建設を進めた。この実験ではニュートリノエネルギー約.5~1GeV程度の反応がニュートリノで約16万個、反ニュートリノで約26000個蓄積できる。このデータを用いて、荷電カレント準弾性反応、荷電カレント1π生成、荷電カレント多π生成、中性カレントπO生成などの各種反応の断面積を測定する。 H18年度は検出器の建設を進めた。6月にKEKからSciBar検出器を発送、7月にFNALに到着、CDF実験ホールにて組み立てを進めた。平行して実験ホールの建設も進められ、2月に完成した。SciBar検出器の建設はほぼ終了し、H19年度からの測定開始にむけ最終段階に入っている。
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