研究課題/領域番号 |
16654077
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡部 直喜 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 講師 (60282977)
|
研究分担者 |
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 教授 (00183947)
|
キーワード | ケイ素同位体 / レーザーマイクロプローブ / フッ素発生剤 / 4フッ化ケイ素 / 真空ライン / 珪酸塩 / 同位体比測定 / 前処理装置 |
研究概要 |
4フッ化ケイ素を精製・捕集するために、現有のレーザーマイクロプローブ前処理装置の改造を行った。設計は研究代表者が行い、改造作業は専門業者に特注した。改造部分の概要は以下とおりである。 1)レーザー反応系の改造:Z軸コントローラの増設により、XYZ方向で照射位置の決定が容易となり、操作性が向上した。光学レンズを焦点距離の短いものへ変更し、レーザーが空中を通る間隔が狭くなり、安全性が向上した。 2)フッ素ガス発生装置:フッ素発生剤を充填したタンク部分とヒーター(温度制御装置付)を増設した。発生剤は350℃でフッ素ガスを発生し、温度を下げると再び回収する。この方法では、温度管理によって毒性の高いフッ素量を制御できるので、従来の5フッ化臭素を用いる方法に比して、格段に安全性が向上した。 3)4フッ化ケイ素トラップ:炭酸ガスレーザーを用いて、フッ素ガス雰囲気で珪酸塩を溶融させると、酸素ガスと4フッ化ケイ素ガスが生成する。酸素ガスと4フッ化ケイ素ガスを2段階で精製・捕集するため、4フッ化ケイ素ガス用の液体窒素トラップを増設した。さらに、4フッ化ケイ素ガスを手早くガラスアンプルに捕集するためのバイパスとなる真空ラインを増設した。 4)残留フッ素除去装置(2カ所):4フッ化ケイ素ガスをトラップに固定後、余剰のフッ素ガスを除去する必要がある。臭化カリウムを充填したトラップを増設し、そこでフッ素を反応させ、3フッ化臭素とし、液体窒素トラップで捕集し、除去する。3フッ化臭素は最終的に廃棄物タンクへ送られる。 5)既存の質量分析計で4フッ化ケイ素ガスをイオン化した際のフラグメントである2フッ化ケイ素が検出できることを確認した。このフラグメント・ピークを利用してケイ素同位体比を測定できる。標準試料による測定条件の最適化、並びに数種の標準試料を用いた研究室作業用基準試料の同位体比の検定・評価は現在実施中である。
|